今日、仕事帰りにコンビニに立ち寄ったら、好きだった人に遭遇した。彼は携帯で話をしているところだったので、おつかれ、と口パクで伝えて手を振った。むこうもひらひらと手を振り返した。あんなにも、あんなにも好きで好きでどうしようもなかった人が、過去になったことを知った。かつて、私を動かすことのできるたったひとりだったその人の笑顔は、もう私の知らないものだった。胸にちくりと痛みが走る。この人に真剣に恋していた過去の私に、手を合わせる。あのころ、絶対に失いたくないと本気で願ったもの、永遠に閉じ込めておきたいと祈ったものを、私はなくしてしまったよ。これでよかったんだと、いつか笑って言える日は来るのかな。