そして私は途方に暮れる

理性とモラルを起動させて考えてみると、わたしってほんとうに最低な女なんじゃないかとおもうけど、14日は後輩を呼びつけて飲みに行ったよ。そんでもって「義理じゃないよ」と語尾にハートをつけてゴディバを渡してしもたよ。ほろ酔って家に帰ったら、妹に「おねえちゃんって、その人の彼女のきもち考えたことあるの?」って恐ろしいほどクールに怒られたよ。「私がその人の彼女なら、バレンタインにふたりで会うなんて、どういう神経してるのかと思うよ」。そう、私は、神経の通っていないぐにゃぐにゃの軟体生物。

そして、これは、昨日のこと。深夜12時、うまい棒を食いながらまんがを読んでいたら、後輩からの電話が鳴った。完全に泥酔した声で「今○○さんちの近くにいるんですけど、出てこれないですか?」。すっぴんにジャージで、あったか靴下(裏起毛)はいて、100%人前に出られるような状況ではなかったのに、私の口から出たのは、「あと10分で出るから、コンビニで待ってて」。ポール&ジョーの下地とRMKのファンデをぬりこみ、ランコムのマスカラを撫でつけながら考えた。大変良ろしくない兆候なのに、この懐かしい高揚感は何。

10分後、コンビニに後輩の姿はなくて、携帯は留守電で、普通に心配で、自転車を動員して後輩のいそうな場所を探し回った。深夜の駅前は酔っ払いとはしゃいだ若者で溢れており、しらふの私は泣きそうに怖かった。コンビニ付近を3周してようやく後輩の姿を見つけたとき、怒るとかそういうんじゃなくて、よかったーとおもった。人ごみの中ではぐれた人と再会できたような安堵感。「すみません、どうしても会いたくなって」。酩酊状態の、呂律の回っていない後輩の、その安い台詞が、不覚にもうれしかった。

これって1年前の再現VTR?人は学習する生き物ではなかったのか。それとも私はそういう星の下に産み落とされたのか。これは宿命なのか。
最低なことに、後輩と一緒にいるとき、私はとても楽しい。