命題そしてカルマ

会社の慰安旅行で金沢に行った。せいりで温泉にも入れず、宴会でへとへとだったので兼六園にも行かずに帰ってきた。なんのための金沢。でもバスから見える日本海はけっこうよかった。ごうごうと荒々しいのに、天気のせいかパステルカラーのようなかわいらしい水色をしていた。なんかゼリーみたいだった。

かるく5リットルはビールを飲まされバスの中で吐きまくっていた後輩が、それでもしっかり浮気相手の女の子におみやげを購入しており、恋する男の執念を感じた。酔った勢いで「さいきん彼女といても欲情しないんすよー」と発言し人々の笑いを取っていた。「欲情しない」って言葉になぜか私が傷付いた。「好きじゃない」なんかより数百倍傷付く言葉だ。

うちの課は男だらけなので、宴会に20代の独身女(わたし)がいるだけで、ちやほやされるしセクハラもされる。「いやー○○さんはかわいいねえー」という若さに向けられる賛辞も、肩組まれたり足さすられたり「最近いつした?」とかいう下劣な目線にも慣れた。でも、こういう後輩の一言で傷付くとき、どうあがいても女な自分を確認する。

良くも悪くも女から逃げれん。つまり男からも逃げれん。世界は大変厄介なことになっている。