恋を、さもなくば死を

「普通に恋愛感情あるんですけど、どうしたらいいんですかね」と後輩に笑って言われて、少し考え込んでしまう。

彼女がいても、出会ってしまうことがある。それが合コンというポップな場であったために、彼女はいないことになっている。番号を交換し、メールをする。誕生日が近いと知り、デートの計画をたてる。ふたりで映画をみて、それからドライブをする。ふたりで夜景をながめ「きれいだな」と思う。手をつなぐ。自分の中にある感情を認識する。付き合っている彼女のことも好きで、でも新しい出会いの新鮮さはどうあがいても魅力的で。彼なりに心の中はどろどろなのかもしれんが、そんなこと微塵も感じさせずスマートに仕事をこなす後輩の姿は、立派に社会人である。

恋と仕事のあいだでバランスを取る姿に「男子の典型」を見る。命短し恋せよ男子。