Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)

Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)

キスを して欲しかったの 終わったあとでも
髪の毛から菊池の部屋のにおいがする
いつも菊池のとなりでかいでいた あのにおいだ
―苦しい 苦しいよ 菊池

このせりふすごいよなー。どんぴしゃに気持ちがわかる。読めばつらさが増幅するから、この本はずっと開いていなかったんだけど、とうとう開いてしまった。ずしん、ときたけど、涙は出なかった。ただ、すごいな、って思った。もやもやして形にできなかった感情を的確に表現してる。そっか、そうだったのかー。

ひさしぶりに会ったあの日の言葉を、ひとつひとつ、何度も何度も反芻する。あいかわず、女の子に手を出しては「同意の上だった」と言い張り、仕事が終わった解放感にまかせて風俗に出かけ、上手に嘘をつくこの人のことを、なんで私は今でも忘れられずにいるんだろう。なんで求めてしまうんだろう。

ひきずるタイプ、って言ってしまえばそれだけなんだけど。

ひさしぶりに、京都に住む彼からメールがきた。最近どう?と聞かれたので、失恋した、と返した。とりあえず笑っとけ、そしたらなんとかなるやろ、という返事がきた。直接的な言葉はなかったけど、今、彼には恋人がいるんだろうなと思った。よかった、と思った。私と彼は、きちんとちがう道を生きている。ありがとう、がんばる、とメールを返した。そして、私たちは過去と決別した。私が就活で毎日深夜4時まで勉強していたあの時期、4時ちょうどに「おつかれ」ってメールをくれたことがいちばんうれしかった。ありがとう。ばいばい。