リカバリー

ひさしぶりに、記憶がとぶほど飲みました。おそらく、三次会でのワインが敗因。
ひとりではとてもじゃないけど歩けないので、同期に手をひっぱってもらって、タクシーに乗り込んだことは覚えてる。あと、タクシーの中でつないだ手があたたかかったことも。脳みそドロドロになりながらも、すきなひとと手をつなぐしあわせを思って涙がでそうだった。こういう書き方をしちゃうと、そこに漂う泥沼臭に「よしえはアレか、大丈夫なのか」と心ある人たちを心配させてしまいそうですが、きっと、もう大丈夫です。

ものすごーくいろんなことがあって、そのたびに胸をいためて、いろんなことを考えたりいろんなことを思ったりした。傷つくことで確認する「すき」もあることを知った。

タクシーの中で「すき」と言ったら、どういうとこが?と聞かれたので、酔ってるなりに考えてみたけど、どこが好きなのか自分でもよく分からなかった。かといって「ぜんぶ」というのともちょっと違う。正直に「わかんないー」と答えたら、なんやねんそれ、と言われたので「ばかーこーゆーのは理屈じゃないんだよー」と酔っ払い特有の怒り方をした。わかっているのは好きってことだけで、その種類について、ライクなのかラブなのかとか、そういう定義づけは不可能だとおもった。たとえば、誰かが彼の悪口を言ったら自分が悪くいわれるよりもむかつく、とかそういうことはわかるけど。でも、そのことを本人に伝えたかどうかは覚えていない。酔ってたし。

言葉にはしないけど、仲直りをした。彼が難波のクラブで酔っ払って財布をなくし、ひとり朝を迎えたとき(ていうか冷静に考えたらあほすぎる)、彼が電話をかけて助けを求めたのは、私ではなく同期の男の子だった。呼びだされた同期は私に「最初おまえに電話しようと思ったらしいんやけどなー。でも、あの子に電話したら来てくれるんわかるから電話できひん、てゆーてたわ」と言った。その話を聞いたとき、あーこれで仲直りできた、っておもった。なんでか良くわかんないけど、彼から直接言われたどんな言葉より、うれしかった。だから、手をつないだ。ありがとう、っておもったから。彼もちゃんとわかってくれたとおもう。そういうことにする。

私たちは、グレーゾーンがだいすきなので。

いつか、私には、ちゃんと普通に好きな人ができると思う。そのときも、わたしたちは今と同じように金曜の夜に安い居酒屋で安い酒を飲んでるとおもう。どんなに馬鹿と言われても、そのことを幸せにおもう。