花の水曜日

同じ課の同期と後輩と3人で飲みに行く水曜が、一週間のうちでいちばん好きだ。下手したら土日なんかよりも好き。3人で仕事の話か女の話をする。女の話は果てしなく低俗なので果てしなくどうでもいいんだけど、仕事の話してると、この人たちとおんなじ仕事をしてる幸せみたいなものを感じる。おんなじ会社のおんなじ課、さらにおんなじ係のおんなじ仕事っちゅう狭い世界の狭い話を、和民とか土間土間とか安い空間で安い酒を飲みながら延々している3時間弱、それが私の7日間のクライマックス。あー働くっていいな、とちょっとだけ思う。

結局3人とも「我々のやってる仕事に意味はある」って思い込みたくて、でもそれを第三者に公言するのに後ろめたい部分や劣等感みたいなものがあって、その微妙な隙間を同じ境遇にいる人間同士で埋めているだけなんだけど。セルフヘルプグループ。人はそれと愛と呼ぶ。

こう、3人で飲んでるときに後輩の携帯が鳴って、それが彼女からの着信なんだけど、後輩は、あー最近毎日電話あるんですよねー、って笑いながら少しめんどくさそうに彼女の名前が表示された携帯のディスプレイを眺めてて、その光景が、逆に彼女との4年間という重量感を醸し出していて、あーやっぱ長く付き合ってる恋人がいる人って安定感あるよなーって思った。

そしてその安定感は時として人を惹きつけるわけで、そのような事態はなんとしても避けたいわけで、「彼女のどんなとこが好き?」等、あえて彼女ネタを振る事で、予防線を張る私。そこに「飯食うとき安い店でも文句言わないとこっすかね」となんとも微妙な回答を繰り出す後輩との攻防戦。

公私混同ってこういうことを言うんでしょうか。