いっしょにのんでて夜おそくなったのですきなひとの家にとまることになった。めずらしいパターン。なんだか緊張していっしょに食べてるコンビニプリンの味がよくわからなかった。カラメルがほんのり苦かった。とまるつもりはなかったので、はぶらし持ってないやーと言ったら、新品のはぶらしをくれた。いいの?っていろんな意味をこめて聞いたつもりだけど、おーいいよーってなにも考えてないような返事だった。彼女の品であろうファンケルのクレンジングオイルやらくるくるドライヤーがならぶ洗面所で歯をみがいた。いちおう気を使って彼女のぶんは隠してくれているのか、スタンドには1本しか歯ブラシが刺さっていなかった。なんだか怖くてはぶらしを隣に並べられなかった。そっとハンドソープの横に、できるだけ無造作に見えるように、置いて帰った。はぶらし1本で、私はこんなにもうれしくてかなしい。