隣の席の後輩は、変わらず優しい。仕事の話も、昨日みたテレビの話も、すべてが通常通り。こうしてどんどん後輩は私を追い抜いていく。わたしだけが立ち止まっている。

後輩の携帯に、彼女とおそろいで買ったと思われるキャラクターものの死にたくなるほどかわいらしいストラップが付いていて、それを目にするたび、ちぎれそうに痛む心臓を摘出したい衝動に駆られる。この痛みは「しつれん」というたった4文字で表せてしまう至極シンプルなものなのに、まるで世界が終わってしまったかのようなこの絶望感は、一体なんなのでしょう。