よしださん

と電話でしゃべるようになった。1期上の先輩。となりの課で働いてる人。会社ではほとんどしゃべらない。というより顔が異様におとこまえなので目(っていうか顔)を見てしゃべれない。男前に時折見られるフリースタイル(もててきたので相手がどう感じるかを気にしない)ぷりで、電話しながら風呂にはいったりする。「携帯ぬれたらどうするんですか」って言ったら「そのときはそのときやろ」と全く気にしてなかった。この人には、何かを失う怖さとか、そういう感覚がないのかもしれん。勝手に人がついてくるから。そして、そういう人は妬みの対象にもなりやすく、自分のしらないとこで勝手に色々言われたりもする。本人も自分のそういう立ち位置を知ってるから、人知れず傷付くこともあるんだろう。だから酔って私のようなどうでもいい人間に電話をかけたりするんだろう。

よしださんは電話をきるときだけ「ごめんな」と謝るのでさみしくなる。謝罪は今までの会話をなかったことにしてしまう。おもわず「あやまらないでください」と怒ったような口調になった。わたしは、失った何かをよしださんにもとめているのかもしれない。